麺ある記 山陰 ～松江・島根・鳥取ラーメンの旅～

おっつぁん＠笠岡 （しょうゆラーメン＆とんこつラーメン）

その昔、美味しい笠岡ラーメンのお店に「斉藤」があったそうです。こちらはその「斉藤」の流れを汲むお店のひとつらしいです。しょうゆラーメン（笠岡風）ととんこつラーメンを頂きました。（おっつぁんスペシャル＝醤油＋とんこつのＷスープもありましたが麺の量も多いとのことで今回は遠慮しました）　しょうゆラーメンは笠岡の特徴である鶏スープに煮干しを加えることでオリジナリティーを出してあるそうです。しかし煮干しよりも甘さがある強い醤油ダレが特徴的です。先ほど頂いた「栄清丸」ではあえて笠岡風は試してないので比較はできませんが、それにしても醤油がしっかりとして甘さが前面に主張します。グルソーきつめです。麺はやはり加水率の低い細麺で、食べ始めはシコシコとしていますが、直ぐにスープを吸いはじめるので早めに掻き込んだ方が良いようです。煮染めた鶏がチャーシューの替わりです。しっかりと煮染められていて、味はそれほど濃くはないですが、しわい（固い）です。これが笠岡ラーメンの最大の特長です。中国地方から西の特徴でもあるモヤシはありませんでした。一方同行者のとんこつラーメンも味見しましたが、こちらは九州でも最近は少なくなったような獣臭が強い豚骨スープです。上手く扱われた獣臭？は嫌いではないですが、これはやや粗い残し方の獣臭で私は苦手ですね。麺はもう一番細めで博多に近いです。確かにどちらも個性をもった一杯に仕上げられていると思いますが、残念ながらどちらも私の苦手な部類のラーメンでした。

しょうゆラーメン　￥
とんこつラーメン　￥
ハムかつ　￥


岡山県笠岡市11番町11-68
TEL 0865-67-2573
営業時間　11:00～22:00（21:40L.O.）
定休日　水曜日

栄清丸＠笠岡 ★ （かつおそば＆もやしそば）

台風の中、広島から岡山県笠岡市まで移動です。笠岡には笠岡ラーメンというご当地ラーメンが存在します。そして笠岡と言えば小料理屋さんなんですが毎月３回ていどラーメンを作る「お多津」が有名です。しかし「お多津」は不定期なため敷居が高いですね。今月も先日１２日がラーメンの日だったようです。しかしもう一軒、小料理屋なのに裏メニューでラーメンを提供しているお店を見つけました。笠岡風のラーメンはいつでも裏メニューで注文可能ですが、「かつおそば」と「もやしそば」は事前予約が必要とのことで前日に予約して、台風が近づいて風が強くなる中の訪問です。先ずは地元の食材を使った料理を肴に焼酎を頂きました。コチに蛸、そして瀬戸内と言えば、「ままかり」ですね。焼きままに酢漬けと頂きます。また松江では冬の風物として食べられている赤貝と呼ばれるサルボウ貝ですが（昔は松江近辺で沢山採れたようですが、今は岡山産が主流です）、こちらでは「も貝」と呼んでいるんですね。通年で食べるそうです。佃煮風のものとあっさりと梅酢、生姜で炊いたものを頂きました。旨い料理とお酒を堪能しました。さて問題のラーメンです。「かつおそば」は鰹の香りが前面に香り、やや酸味が感じられるくらいにしっかりと鰹出汁が使われています。おそらく厚削りの鰹節の持つ酸味のようです。ここまで鰹が前面に主張するスープは初めてです。これはこれで美味いですね。面白いと思います。そして笠岡ラーメンの特徴とする鶏を固く煮染めたものと豚バラチャーシューと両方がトッピングされています。一方「もやしそば」は豚チャーシューにもやし、ねぎ、蒲鉾と中国地方で一般的な中華そば風で、鶏ガラと生姜の香りが素晴らしいスープです。シンプルな鶏ガラスープとして考えるとこの日一番のように感じます。鶏の香りが素晴らしく香りました。両ラーメンとも麺はやはり低加水の細麺で、山陽の共通スタイルのようです。食べ始めはシコシコとしているのですが後半はややつらくなります。しかしどちらもそれなりに個性持ったラーメンで、思いもよらぬところで思いもよらないラーメンを味わうのも実に楽しいものです。

かつおそば（要予約）　￥５３０
もやしそば（要予約）　￥５３０
（中華そば（笠岡風）は予約なしで注文できます）

「栄清丸＠笠岡」紹介サイト
http://www.geocities.jp/kozoyy/eisemaru.htm
http://d.hatena.ne.jp/zappa1/20070216
http://d.hatena.ne.jp/agharta/20070207#p1
http://d.hatena.ne.jp/agharta/20070117#p1
http://d.hatena.ne.jp/agharta/20061221#p1


岡山県笠岡市中央町33-4
TEL 0865-62-2763
営業時間：11:00～14:00　17：00～21：00　
定休日　日曜日

麺屋 元就＠広島 ★☆ （武蔵つけ麺＆元就らーめん＆特武蔵らーめん）

昨年の暮れにできた新店です。ご主人は東京の有名店「麺屋武蔵」で修行されたそうです。広島だから元就？宮本武蔵とは関係なさそうですねぇ。基本的なラーメンは二種類。広島ラーメン風の「元就らーめん」と関東風の「武蔵らーめん」です。私は関東風の「武蔵つけ麺（つぶし太麺）」、同行者は「元就らーめん」と「特武蔵らーめん（太麺）」をオーダーです。レポが前後しますが「元就らーめん」は広島風の低加水細麺にライト豚骨スープです。意外にスッキリ、あっさりとした豚骨で古典的な広島ラーメンを今風に仕上げるとこうなるであろうと思われる味です。麺はやはり弱そうです。一方「特武蔵らーめん（太麺）」は太麺の豚骨Ｗスープです。「麺屋 武蔵」は残念ながら未食ですが、おそらく別ものかな？しっかりとした旨味とコクの中に強い甘味が特徴的な美味さです。太麺は加水率は高いようには思えませんでした？やや芯が残るくらいの固ゆで存在感がありますが食感は好きずきですね。「武蔵つけ麺（つぶし太麺）」も同じ出汁を濃いめに仕上げてつけ出汁としてます。やはり甘味料のような甘味が特徴です。関東的と言えば関東的で固ゆでのつぶし麺はもっさりとよく噛んで食べるタイプです。力強いつけ出しと合わせて美味しく頂きましたがこれも麺との相性は好きずきのようです。両タイプとも新広島ラーメンと謳っているとおりの新しい広島ラーメンを味わうことができたと思います。しかしmisakun氏によるとモヤシと青葱の香りはもう十分だとのことでした。。それは納得。

武蔵つけ麺　￥６８０
元就らーめん　￥６００
特武蔵らーめん　￥７００

広島市中区舟入本町12-21
TEL 082-295-9599
11:30～15:30　17:30～23:00（スープ切れ終了）
定休日　木曜日

もんごい亭＠広島 ★☆ （藻塩らーめん＆もんごいらーめん＆光麺）

かつては「MONGOI」と表記するお店を広島と東京に展開して高評を得ながら、ある日忽然と閉店してしまったお店が「もんごい亭」として復活していました。現在はらーめんと鉄板焼きのお店になっています。「MONGOI」のときから非常に興味を持っていましたが初訪問です。バラックのようですが、中はセンス良く改装されています。私は「藻塩らーめん」、同行者は「もんごいらーめん（海老みそとニンニク入り）」、「光麺（基本のＷスープ醤油味）をオーダー。葱が綺麗に盛りつけられて、綺麗な魚介の香りと澄んだ塩味がなかなかです。インパクトはないですが、キレのある美味さですね。関東の有名店を彷彿させます。チー油香りが甘くて良いです。麺は広島風の細麺で最初はシコシコと良い茹で加減ですが、残念ながら後半はややだれてきます。チャーシューは肩でしょうか？脂の少ない部位で不思議と甘さがある薄味です。ちょっと面白い個性的な味付けです。ブラックペパーがアクセントにふりかけてありました。「もんごいらーめん」は海老みそとニンニクがコクを出した醤油味でこちらも美味いです。基本の「光麺」もスッキリとしたＷスープの醤油味で洗練されています。鶏の香りに魚介の旨味が特徴です。全体に洗練されたＷスープ系の美味さでその実力はうわさどおりに高いと思いましたが、広島ラーメンとはかけ離れたこの味が地元でどう受け止められているのかやや心配にも思いました。この日は台風で生憎の天気でしたが、それにしてもお客さん少なかったですねぇ。美味いんだけどなぁー。

藻塩らーめん　￥７８０
もんごいらーめん　￥７００
光麺　￥５００

お店ＨＰ


広島市南区丹那町1-38
TEL 082-255-0767
営業時間　11:30～22:00
定休日　水曜日

ふじもと＠広島 ★☆ （まぐろだし・醤油＆えびだし・塩＆ほたてだし・塩）

台風が接近する中、無謀にも山陽遠征へ行って参りました。メンバーはkanchan氏、misakun氏と私の３人です。一軒目に目指したのは行列必須店のこちら。開店前に余裕の到着で一番でしたが、直ぐに開店を待つお客さんがぞくぞくと集まってきます。さすがは人気店です。こちらは魚介出汁５種類とタレ（醤油と塩）２種類の組み合わせで１０種類の味が選択出来ます。その上にもりそば（つけ麺）も出汁（醤油）が５種類あります。どれにしようか悩んだ末に私は「まぐろだし・醤油」、kanchan氏は「えびだし・塩」、misakun氏は「ほたてだし・塩」となりました。まぐろだしとのことですが、上品な鰹出汁のようと表現すると分かり易い。鰹よりもやや甘さのある香りで、ワイルドさは弱いです。ワイルドさでは以前頂いた「さんまだし」が遙かに強いですね。魚介ガツンを望むなら絶対「さんまだし」です。また「まぐろだし」は魚介がやや上品な分、醤油が勝ち気味に感じます。塩の方が相性が良いかも？とは言っても他店では考えられないくらいに魚介が前面に主張していますけどね。kanchan氏の「えびだし・塩」はもちろん海老の香りが前面に主張してます。塩との相性も抜群でこれはお勧めです。misakun氏の「ほたてだし・塩」は以前にも経験がありますが、こちらでは割とマイルドな部類で誰にでも食べやすいのではないでしょうか。何れにしてもハイレベルで個性的な魚介Ｗスープで魚介好きにはたまらない一杯です。麺は広島らしい細麺ですが、シコシコと良い方です。しかし好みにもよるでしょうが、大量に盛られた太モヤシといっしょになると麺の存在が分からなくなってしまうのがひとつ欠点です。スープは美味くて申し分ないですが、大量のモヤシと同じく大量の薄切りのバラ肉のバランスがどうなんでしょうね。。

まぐろだし・醤油　￥７５０
えびだし・塩　￥７５０
ほたてだし・塩　￥７５０

お店ＨＰ

過去記事
http://menaruki.exblog.jp/2055946


広島県広島市西区新庄町5-7
TEL 082-537-0248
営業時間　11.00-15.00
定休日　月曜日